神を追い求めた孤高の天才 アイザック・ニュートン

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 17―18世紀の英国に生きた自然科学者、アイザック・ニュートン(Isaac Newton)。万有引力の法則を始めとし、力学、数学、天文学などの分野に彼が残した功績は近代科学を一気に50年先へ進めたとされる。
 そしてその名を聞いてまず思い出すのは万有引力に関する“リンゴの木”の逸話ではないだろうか。しかし実は、学者としてだけではなく、造幣局トップ、そして王立協会(*1)総裁としても名声をほしいままにし、最期はウェストミンスター寺院での国葬により送られるという華々しい人生を送った。また、考え事に没頭するあまり馬を引いているつもりで手綱だけ持って歩いていたという冗談のようなエピソードや、一転、幼少期の不遇から重い心の病を抱えていたことなど、意外な側面も昨今の調査で明らかにされている。
 知れば知るほど浮き彫りになるその興味深い人物像。今回のGreat Britonsでは、“世紀の天才科学者”という枠に収まりきらない、知られざるその素顔を探ってみたい。
*1王立協会:学術における言葉の壁を取り除き、科学知識を共有することを目指して1660年ロンドンに設立された、現存する最も古い学会


参考文献
『心は孤独な数学者』藤原正彦著 新潮文庫
『THE NEWTON PROJECT』www.newtonproject.sussex.ac.uk
『The MacTutor History of Mathmatics archive』www-history.mcs.st-and.ac.uk